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客による迷惑行為「カスタマーハラスメント」の調査結果を、サービス業などの労働組合UAゼンセンがまとめました。従業員の2人に1人が“カスハラ”の被害に遭っていたということです。
■後日謝罪も「酒飲んだから覚えていない」
先月30日午前11時、店に入って来た2人組の客。券売機で食券を購入しようとしますが、お金を投入せず、手にお金を持ったままボタンを何度も押すなど、明らかに様子がおかしい行動をします。
沖縄そば「ススリバ」店長
「お酒を飲んで酔っている状態で、来店された感じです」その後、席でラーメンを食べる2人の客。そこへ店員がやって来ると、黒い服の男性が急に怒り出し、隣に座る連れの男性がなだめるように肩を抱きます。
しかし、黒い服の男性が店員の服をつかみ、自分の方へ引き寄せ、さらに怒りをあらわにします。
店員は謝罪し、連れの男性が必死になだめますが、なかなか怒りが収まらない様子です。
見かねた連れの男性は立ち上がって店員との間に割って入り仲裁。呼び出してから、およそ3分半、やっと店員は解放されました。
男性と店員の間に、何があったのでしょうか?
店長
「(黒い服の男性から)調味料をいただきたいと声掛けいただいて。提供させていただいたところ、(店員の)提供の態度が気にくわない。そこから、ちょっと激怒されて」男性は怒りが収まらないのか、トラブルの後もラーメンを口にせず、ほとんど残ったラーメンをカウンター越しにぶちまけます。
その際、手にラーメンの汁が付いてしまったのか、店に設置してあるティッシュで手をぬぐい、そのティッシュもカウンター越しに投げ捨てます。
これで気が済んだのか、男性は靴ひもを結びなおし、連れの男性に手を引っ張られて店を出ようとした瞬間でした。連れが残したラーメンを手に取り、今度は客側の通路にぶちまけ、そのまま店を後にしたといいます。
店長
「お皿を割られたりとか、冷蔵庫の方にも(ラーメン)かけられて。使えなくなった機材もある」男性は翌日、謝罪に訪れたといいますが…。
店長
「“お酒を飲んだから覚えていない”みたいな感じだったんですけど。覚えていようが覚えていまいが、やったことは事実なので。本当に非常に残念ですね」店は、警察に被害届を提出する予定だといいます。
■カスハラで“出禁”その後…
別のラーメン店の店主も、カスハラに悩まされていました。
「中華そば いっけんめ」店主
「(カスハラ)被害を食い止めるには、もう(店を)閉めるしかないなと」その時の映像です。カスハラを行っていた男性が、手に持っているのはコショウの瓶。そして、キャップを外して、びんに入ったコショウを丸々1本すべてラーメンに投入しました。
さらに、左手で持っているのは酢です。これも、ほぼ1本投入しました。
男性は、そのまま食べずに帰ったといいます。
店主
「仕込みからお客様に出すまで、最低でも20時間かかるわけです。そういったやつを無駄にされたり、作り手としては心外ですよね」この男性は常連客だったといい、最初は普通にラーメンを食べていただけだったといいます。
店主
「いつの日か、トッピングを後から注文するようになったんです。きざみタマネギなんですよね。食べもしない量を注文している訳ですよ、絶対残すって」想像通り、トッピングをすべて残していった男性。食材がもったいないと考えた店主は、すべての客に対して、後からトッピングを注文することを禁止します。
店主
「それでスイッチが入ったんでしょうね。テーブルにある香辛料をすべて、(ラーメンに)全部入れて」嫌がらせ行為がエスカレート。コショウの瓶のふたを開けて、丸々1本入れ、そして…。
店主
「封を切ったばかりの500本(入りの)つまようじを全部入れて、かき回して帰られたんです」店主は、警察へ相談。店への出入りを禁止するように男性へ伝えてもらいますが、今度は…。
店主
「鬼のような電話が入るようになったんです。『殺すぞ!火をつけるぞ!』だとか言ってきて」従業員の安全を考えた店主は、泣く泣く店を閉めたといいます。
その後、警察に被害届を提出。男性は略式起訴され、裁判所が男性客に対して下した処分は「罰金10万円」でした。
トラウマを払拭するため心機一転。店を移転して、営業を再開したといいます。
店主
「自分がやったことが、どれくらいのことであるか分かってくれればいいかなと」■街で聞いた…“カスハラ”受けた経験
街でカスハラを受けた経験を聞くと、このような声が聞かれました。
フードデリバリー業
「『たばこ買ってきて』とか言われる、配達中に。断ったりすると、もめたりする人もいたりとか。言い返したりしても、別に何もなんないじゃないですか、向こう怒っていて。じゃあ、もう収まるまで言ってもらって、収まるまで待とうかなと」タクシー運転手
「酔っぱらいのお客様で、下ネタをよくお話してくる方とかは回避するんですけど、困るなと。乗車中に、こちらから降りてくださいとは言えないので」タクシー運転手
「法定速度をある程度守って運転するのがほとんどなのに、『あんた遅い』と。『なんでチンタラ走るんだ』と。どんどんずっと上から罵倒のしっぱなしです。最後、家に着いた時、ちょうど2000円弱ぐらいだったんですけど、『あんた遅いから払わない』。結局200円くらいまけさせられた」■“カスハラ”被害者の家族「人生狂います」
カスハラを受けているのは、民間だけではありません。愛媛県伊方町の町役場では…。
町役場の職員に浴びせられた言葉
「今さらおのれの『すみません、私が悪かったです、ごめんなさい』、そんなもん聞く耳なんかねぇわ、ボケ!木刀持って後ろからぶち破っていいくらいやぞ、コラ!」これは、町民のクレームに対応した50代の町役場の職員に対し浴びせられた言葉です。発言は、次第にエスカレートしていきます。
町役場の職員に浴びせられた言葉
「己の部下かどうか知らねぇけど、あのあんちゃん(若い職員)の前で、毎日のように恥かかせてやろうか!おとなしくなったけど、俺は全然変わってねぇから、暴れないだけで。お前のところの家も分かるけん、お前がおらんかったら(お前の)嫁もおるけん、家で待たしてもらうから」家族に危害を及ぼすような言葉まで飛び出します。
町民の自宅に呼び出された際には、夜の9時半から朝の5時半まで、途切れることなく8時間もクレームを言われ続けたといいます。
その後、クレーム対応していた職員は…。
伊方町 井上総務課長
「ちょっとうつ病になって、しばらく休まれとったんですけど、結局はもう退職になった」カスハラ被害を受けた 元職員の家族
「本当にもう、家庭の人生を狂わすような行為なんで。法律的な対応も含めて、毅然と対応しないと、家族が人生狂いますし」■草薙アナが挑戦…“カスハラ”に対する練習
こうしたカスハラの被害を減らすために、AIを使った対策が進んでいます。
このシステムではAIを使い、カスタマーハラスメントに対する練習をすることができます。
草薙和輝アナウンサーが飲食店の店員、AIが客という設定でスタート。すると、いきなり…。
カスハラする客役のAI
「おい!これはなんだ。このプラスチック片は、どう説明するんだ!」草薙アナ
「不快な思いをさせてしまい申し訳ありません。今ですね、同じ料理をすぐに作り直すので、申し訳ありませんが、しばらくお待ちいただいてもよろしいでしょうか」カスハラする客役のAI
「作り直しだけじゃ済まされないぞ。こんなミスで、どれだけ迷惑かかっていると思っているんだ!ちゃんとした補償をしろよ、金を払え!」草薙アナ
「作り直しにお時間を要することは大変申し訳ないと思っております。補償は、同じ料理を作り直す形で、ご理解いただけたらと思います」カスハラする客役のAI
「作り直しだけじゃ納得できないよ!こんな体験させられたんだから、金を払え!」草薙アナ
「金銭での補償は当店でも難しくてですね、同じ料理を作り直すというところと、デザートをサービスで付けさせていただく形ではいかがでしょうか?」料理の作り直しでは納得しない客に対し、デザートのサービスを提案した草薙アナでしたが…。
カスハラする客役のAI
「全然納得できないよ!こんな対応で、どうして納得できると思っているんだ。もういい!警察呼ぶなら呼べ、俺はもう帰るからな」客は激高し、帰ってしまいました。このAIシステムでは、どの部分の対応が良くなかったのか、アドバイスも受けられます。
AI
「営業・草薙さんの対応には、以下の改善が必要です。顧客が非常に怒っている状態で、繰り返し料理の作り直しとデザートの提供のみを提案しています。これは顧客の要求と感情を無視していると捉えられかねません」厳しい評価を受けてしまった草薙アナ。ホテルのフロントの設定でリベンジします。
カスハラする客役のAI
「なんでまだ、部屋用意できてないんだよ。今すぐにでも入れろって言ってるだろ!」草薙アナ
「申し訳ございません。今ですね、お部屋の方、すぐに確認してまいりますので。少々お待ちください」カスハラする客役のAI
「もう、待てないんだよ。何度も言わせるな!いますぐ部屋を用意しろ、こんなサービス最悪だ!」草薙アナ
「これは、ちょっと待てよ。どうすりゃいいんだ…。う~ん…」
「お客様に、そのような思いをさせてしまっていることは、大変申し訳なく思っております。今、確認しております」カスハラする客役のAI
「もういい!こんなところには二度と来ない。最悪のサービスだ」客は納得せず、怒りがエスカレートする事態に…。果たして、今回の評価は?
AI
「営業・草薙さんは、顧客の怒りを鎮めるための具体的なアクションをとることができていませんでした。改善が必要な発言には『今』『今ですね、お部屋の方』『今、確認しております』があり、これらの発言は顧客の怒りをさらにあおる可能性があり、顧客の求めている解決策からかけ離れています」かなり厳しい結果になりました。
インタラクティブソリューションズ
関根潔社長
「きょうのカスハラ含めてですね、こういう場面に遭遇するっていうことが、ある程度、想定できるような方が、ぜひ色々練習していただいて、店舗側にとっても正しいコミュニケーションがより行われるのが、普通の社会になるといったような形になっていただければと思います」(「羽鳥慎一 モーニングショー」2024年6月6日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp
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